プロローグ
「お姉ちゃん、なんで!」
何故、お姉ちゃんが死ななくちゃいけなかったのか。何故、お姉ちゃんが死ぬことを選んだのか。
だってお姉ちゃんはあんなにも生きたいと願っていた。誰よりも生きて、誰よりも多くの人を助けようとしてた。それなのに、どうしてお姉ちゃんは僕の目の前で冷えていくのか。
冷たい、冷たい冷たい冷たい。お姉ちゃんが自分で胸に刺したナイフを引き抜く。血が飛んだ。でもこんなに短いナイフで自力で、女の子の力で突き立てたところで死なない筈だ。なのに、どうして。
「どうして!!」
___ああよかった。
お姉ちゃんは笑って死んだ。