番外:例えばこんな昼下がり


!下ネタ!
!性行為をしたいかしたくないかという話です!
!四CPが成立した未来の話!
攻めグループと受けグループで話してます。
!ほぼ会話文!
!メタ発言も出てきます!


〜攻め組〜

 とある春の昼下がり。本丸の空き部屋に偶然集まったのは三日月宗近、鶴丸国永、一期一振、小狐丸の四振り。一期一振が淹れたお茶を飲みながら、ぼんやりと雑談をしていた。ところで、偶然集まったものの、この四振りには共通点がある。恋人がいるという点だ。
「ところでお前らは性行為したのか?」
 ごほごほと気管支に茶が入ったらしい一期が咽せる。それを小狐丸は哀れそうに見てから、突然じゃなと呟く。鶴丸は一期が咽せているのを気にせず、だってなと難しい顔で口を開く。
「だってな、共にいたい、触れ合いたいとも思うだろう。でも三日月は兎も角、一期と小狐丸はアレだろ。犯罪臭しかしない」
「はっはっは」
「私は別に性行為は必要無いので」
「正気ですかな?!」
「おい一期お前墓穴掘ってるぞ」
「あっ、いえ、あの、私は別に」
「ふむ。とりあえず私は必要無い。あの小さな狐が私の神力で満たされて満足している事だけで充分だ」
「いや待て、それはそれでマズイぞ。神隠しはやめておけ」
「神隠しはしない。ぬしさまに止められているからな。しかしいつかは」
「ヤンデレかよ!!とりあえずそこの饅頭食ってろ。シャレにならん。そうだ三日月は」
「俺か。まあ、普通なら関係があってもおかしくなかろう」
「……何か問題があるのですか?」
「夏継なら、頼めば受け入れてくれるだろう。しかし、それは本当に夏継が望んだことなのか」
「どういうことだ?」
「アレの精神は未成熟だ。幼子と同じ。もしいざ行為をすれば、傷付けることになりかねん」
「それはまた、相変わらず主が拗らせてるな」
「大変なのですね」
「じゃあ言い出した俺の話でもするか。いや、何か意外な話を聞いた後だから話しにくいが、俺と獅子王は普通に性行為もするぞ?」
「羨ましい」
「いちや落ち着け、本音が出ているぞ。俺としても羨ましいことこの上ないが」
「私は特に興味ないですね」
「小狐丸は饅頭食ってろ。詳細な話はしないが、何だろうな。せめて三日月は同レベルの話が出来ると思ってたぜ」
「煩いぞ」
「すまん。予想以上に気にしてたんだなキレるな。で、その、一期は」
「……はい」
「事案か?」
「違います!!清いお付き合いをさせて頂いております!!」
「ふむ、心の内はどうだ?」
「もっと触れ合いたいです!!」
「素直じゃな」
「何というか、若いな。しかし問題は山積みだと思うが、結ばれたんだろう?」
「それはそうですし、弟達はむしろ背中を押してくれるのですが、明石殿が」
「あー、保護者か」
「明石殿が夜になると迎えに来られて。迎えに来られなくとも、昼間に会うたびに牽制を」
「随分後からやって来た保護者の癖にか。蛍丸贔屓が目立つが、愛染のこともそんなに気にしていたんだな」
「とりあえず明石はそのうち何とかなるだろう。しかしお前達は他の問題も山ほどあるなあ」
「愛染は小さいので」
「色んな意味で傷付けたらと思うと、か」
「わかる」
「小狐丸は分からんでいいだろ。っていやそれ、お前実は満足してないだろ」
「さてな」
「うわあ」
「とりあえず、いちよ、茶を貰えるか」
「分かりました」
 こうして昼下がりは過ぎて行くのだった。


………

〜受け組〜

 とある春の昼下がり。審神者と、審神者と休憩時間を共にする近侍の獅子王の元に愛染とお供の狐がやって来た。燭台切がお菓子くれたんだと言いながら、煎餅の袋を開き、木皿に並べた。獅子王はそれを見て直ぐに茶を持って来て、それもまた並べる。そうしてお茶会が始まり、ぼんやりと雑談をしていた頃。獅子王がそう言えばと煎餅を飲み込んでから口を開いた。
「皆は性行為したのか?」
「……はい?」
 夏継の目が点になる。確かにこの二振りと一匹と一人には、恋人がいる。ならば性行為をすることもあるだろう。だが。
「あの、わたくしは狐ですが?」
「ごめんお供のことは深く考えてなかったわ」
「いや別に構いませんが、そういうお話でしたらわたくしは静かに煎餅を食べてますね」
「とりあえず言い出しっぺから話せよな」
「俺?普通に性行為もするけど」
「まじか」
「確かに一番問題無い組み合わせだもんね」
「いや一番問題無いのは主と三日月だよ、成人男女だろ、何言ってんだ」
「あ、そっか」
「主さんそういう関係無いのか?」
「私は性行為したくないからなあ。頼まれたら構わないけど、あんまり……」
「主さんって性欲ないのか?」
「不感症かもとは思う」
「おい主それ以上属性盛る気か」
「そんなに属性は無いよ。それなら一期さんと愛染君の関係とかの方が属性が多いでしょ?」
「血の繋がらない兄と弟みたいな関係と、教育係だから生徒と先生と、本丸に居た長さから後輩と先輩もあるな。そんで恋仲、と」
「何かすげえ事案じゃね?」
「それ本人が言うの?」
「というか愛染は行為とかしたいのか?」
「うーん、多分普通にしたいけど」
「そうなんだね」
「でもオレ、見た目は完全に子供だから多分そういう対象で見られないと思うんだよな」
「そうかあ?」
「そうなの?」
「……?」
「万が一そういう対象に見られてたとしても、オレ小さいから受け入れられるか分かんねえし」
「それはあるな」
「まあ、確かに」
「ヒトガタは大変そうですなあ」
「あ、お供さん煎餅出そうか?」
「ありがとうございます!」
「とりあえず愛染は問題が山積みってぐらいか。主は大分問題あるとして」
「その言い方はどうなの?」
「そういやお供は狐でも小狐丸はヒトガタな訳だけど」
「……はっ!そう言えばとそうでございますね?!でも流石に狐とヒトガタでは何もできませぬ」
「多分な」
「多分とは?獅子王殿、目を合わせてくださいませ」
「私は分からないって言っておくね」
「あるじどの?」
「オレは知らないからな」
「愛染殿?!」
 どういうことでございますかと慌てるお供に、ヒトガタの三人はゆっくりと茶を啜ったのだった。

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