00：プロローグ
例えば、自分が人ではなかったら
例えば、創られし人形であったら
それを不幸と思うかしら
それを幸福と思うかしら
零式は失敗した
壱式は成功した
？？式は成功した
人形とは目的のために創られた人工物
例えば、
神への完璧な生贄として
例えば、
哀れな少女の兄の代わりとして
それを"心あるもの"は
批判し
弾劾しようとするだろう
だけど、
人形があることで助かる命があったとしたら、
心あるものは何というのだろう。
嘆き
悲しみ
哀れみ
涙を流すだろう
身勝手である？ そうとも言うわ
だけど私は思わない
だって私は人形を孫のように愛してる
私のような人形師が作り出した
完璧なる"肉体"
選りすぐりの魂職人が入れた、
極上の"魂"
それを愛せぬ訳がない。
儚く、美しく、愛らしい、
大量の力を蓄えた、無垢なこども
その役目を果たす時まで、
見守り、守ってあげますからね。