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あとがきと設定


 にせものアフロディーテ、完結しました。ここまで読んでいただき本当にありがとうございました! 連載を始めたのが四月となつていたので、一ヶ月ほどこのお話を書いていたことになります。長かったような、短かったような、不思議な気持ちです。にせものアフロディーテのメインテーマは「愛」です。亀甲さんの考える愛と、夢主の雪芽が考える愛の対比を描くこともまたテーマでした。

 あとがきはここまでで、星空ガール'sシリーズ恒例の金風雪芽の本来の設定と、ストーリーの補完的な情報を出しておきます。



!以下、星空ガール'sのネタバレを含みます!


………


人間名:金風雪芽(未変換 金風雪芽)
金星による対地球侵略プログラム(隠密行動専用プログラム)
プログラムを起動することで金星とのコンタクトが可能となる。また暗器はなんでも扱えるが、武器自体は現地調達が基本となっている。

星空ガール'sは対地球用の侵略者です。つまり地球ひいては人類の敵です。星空ガール'sの世界観では星同士の領土の奪い合いが発生していて、雪芽はその為のプログラムの一つに過ぎません。

今回の雪芽の役目は元々あった本丸の機能だけコピーしたコピー本丸(所謂非正規の不法本丸)を拠点に、時の政府の情報を金星に流すこと。そして時間を遡る術を手に入れることでした。(そのことは亀甲さん達が阻止したことで防がれたわけですが。)

金星の独白はプロローグAのみですが、この独白は最初に読んだ時と後になって読んだ時では印象が変わるかもしれません。何故なら金星が愛してるのは金風雪芽であって、その個人個人ではないからです。
なので、このお話の金風雪芽を失ったとしても別に構いません。だって他に金風雪芽は沢山いるのだから。

また、雪芽自身が愛されているということに執着したのは、常時プログラムを起動した状態で自分が侵略者であるという自覚を持ちながら、普通の人間としての人格も持たなければならないからです。
何かに縋らなければ、自分はただの使い捨てのプログラムの一つであり侵略者であるという自覚が、人格をもった状態では、とてもじゃないけれど受け入れられないからです。端的に言うと狂っちゃいます。

また、三日月さんはにせものアフロディーテの世界において最も力の強い刀剣と設定されています。なので金星は三日月を雪芽に服従させることで、他の刀剣から雪芽ひいては金星に逆らう戦意を喪失させる目的をもって三日月さんを初期刀としました。
あの三日月さんが逆らえないなら、自分たちに出来っこないという雰囲気を作るための策となります。実際、亀甲さんが行動を起こすまで、皆は心の中で雪芽の行いへの疑問とその父(金星)への疑念を持っていましたが、何も行動できずにいました。

今後ですが、この神隠しされた不法本丸は政府の脅威ではなくなり(というか本当に本丸ではなくなった)、ゆっくりと長い年月をみんなで仲良く暮らしていきます。
その中で雪芽の体が本当に神の力で動くようになるかは分かりません。というか多分無理です。もし目覚めるとしたら、神様に大切に扱われて宿った新しい命、付喪神の亜種、金風雪芽という愛に焦がれた女の子の付喪神なのだと思います。


最後に二度目ですが、ここまで読んでいただきありがとうございました! これからも日々精進、頑張ります。



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