世界観

【世界観】
 とある世界に名も無き種族がいた。その種族は人間とよく似た姿をしていたが、真っ白な髪と真っ白な肌、紫色の目を持つ、人間とは似て非なる存在だった。名も無き種族はその昔、祖先が神と契約を交わした種族だった。名も無き種族はありとあらゆる毒が効かぬ体を手に入れた。だが代わりに、性別を失った。性別が無くては繁殖ができない。困った名も無き種族は一人ひとりが悪魔と契約を結ぶことで性別を手に入れた。
 しかし名も無き種族は絶滅へと向かっていく。赤ん坊の頃に人攫いに遭い、人身販売の果てにそれぞれ少女の元に身を置いた少女と少年、そして、最後の村が襲われた時に逃げ出した、契約を結ぶ前だったこども。
 彼らはそれぞれ、ユキ、雪、杏と名乗り、お互いを知らぬまま、成長していくこととなる___。


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