百神 学パロ
百神高校赤土三馬鹿は今日も平和

イクレとコヨーテ/会話中心/CP要素薄いです


「イクトミ! コヨーテを見なかったか! 」
 2-B教室に駆け込んできたレイヴンに、イクトミは不思議そうな顔をした。
「コヨーテ? またいなくなったのか。まあ、そのうち帰ってくるぜ? 」
「そのうちでは間に合わん!! 提出物があいつだけ出てないんだ! 」
「そうカリカリしなさんな。提出物って何かあったか? 」
「学祭の希望アンケートだ! 全員提出と生徒会からのお達しがあっただろう! 」
「ん? レイヴンって生徒会に恩とかあったか? 」
「特に無いがコヨーテが提出物を忘れているのは何度目だ。」
「誰も数えてないわな。」
 ああもうと、コヨーテの自称飼い主レイヴンは拳を握り締めた。そんなレイヴンにイクトミはまあまあと何かを差し出す。それにレイヴンは顔を引きつらせた。
「何だそれは。」
「クーフーリン君マスコット試作品第x号。」
「えっくす号とは何だ?!というか前回から何も変わってないだろう! 」
「耳にビロードが使用されている。」
「このウサギの耳のようなところか。いや待て、クーフーリンにこんな耳はない。」
「俺もそう思うぜ。」
 でもまあ貰ってくれとレイヴンに押し付け、イクトミはははと笑った。レイヴンは不気味なマスコットをどうすることもできず、とりあえず大切に扱わなければとポケットに仕舞った。
 その時、おーいと外から声がした。その声にレイヴンが反応し、すぐに窓へと駆け寄る。イクトミもまたそれにゆっくりながらも続いた。
 窓の外にはジャージ姿のコヨーテが片手にリレーのバトンを持って立っていた。
「一位! 」
「バカか!! 何で陸上部の試合に出てるんだ!!」
「助っ人に呼ばれたから! 」
「提出物を出してから行け!! 」
 提出物の単語に首を傾げるコヨーテ、それに対してレイヴンの顔が引きつる。まあまあとイクトミが宥めた。
「コヨーテ、ほら、学祭の希望アンケートだってよ。代わりに書いて出しておこうか? 」
「そんなの許されn 」
「俺金魚すくいやりたい!! 」
「学祭に金魚すくい?!」
「りょーかい。」
「待て! 何を希望するつもりだというか何をするつもりだ?! 」
「えー、祭りなら金魚すくいにりんご飴にわたあめだろ?!」
「お前の家には既に金魚がいるからもう金魚すくいは禁止だと言っただろう! 」
「おーいレイヴン、話が逸れてるぞ……って聞いてないねえ。」
 ぎゃあぎゃあと窓の外と言い争うレイヴンに、イクトミは仕方ないなと笑って、予備のアンケート用紙に記入を始めたのだった。




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