◎干からびた魚@同居


笠今/2018春休み強化企画より/同居してます


「干物を焼いた」
「なにしてん……だから魚の匂いするんや」
「刺身もやった」
「包丁持つな言うとるやろ」
「飯も炊いた」
「珍しいやん」
「食うぞ」
「あ、ワシ帰ってきたばっかやから」
「風呂は沸かせ」
「せやろな」
 今吉は焼き魚と刺身と飯だけなら、汁物を作らないと。今吉はふらふらと風呂に向かった。
 風呂に入った今吉を、笠松はギターの手入れをして待っていた。笠松を横目に、汁物として、すまし物を作る。わかめと豆腐でいいか。生わかめの冷凍があったので、それを使った。
「味噌汁?」
「すまし汁や」
「出汁は?」
「昆布と鰹節」
「うまそう」
「せやろ」
 ほらできた。茶碗に注いで、机に全て並べる。いただきますと挨拶をして、今吉と笠松は食事を始めた。
「うま」
「そらな」
「毎日作ってくれ」
「もう作っとるやろ」
「まあな」
 幸せもんだな。笠松が真面目な顔で言うので、今吉はただ、アホとだけ返した。


09/01 22:41
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