◎真っ赤な秋の色は君に合う


黛今
作業用BGM→レッド・パージ!!!


 赤い、燃えるような紅葉が頭上で空を彩っている。そう、秋の日だ。
「黛ー!」
 橋の方で紅葉を見ようと今吉が楽しそうに言った。そもそも紅葉を見に行こうと言ったのは今吉で、人が少ないという渓谷の紅葉スポットを探し出したのも今吉だ。黛はあんまり興味あらへんやろしと今吉は言っていた。確かに紅葉には特に興味ない。だが、今吉が隣に居たら別だろう。そのまま言えば、今吉は黛ってたまにそういう事言うと顔を逸らされてしまった。

 そうして電車とバスを乗り継いでやってきた渓谷の紅葉は見事なものだった。交通の不便さから人が少ないらしいと、今吉はどこかで聞いたらしい情報を教えてくれた。

 紅葉の中、橋を渡りながら今吉は楽しそうに景色を楽しんでいる。俺もまた、今吉とその後ろに広がる紅葉を見て、見事なものだと思った。今吉の黒い髪が渓谷の風になびく。黒と赤はよく映える。
「綺麗だな」
「そうやなあ」
 向こう、めっちゃ赤いと笑った今吉に、そうじゃないと思いながらも、そうかと俺は歩く今吉の後に続いた。


11/28 18:10
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