◎ゆめごこち
アルカヴェ
ゆうら、ゆうら。
意識がふわり、ふわりと、舞っている。酒を飲んで、現実を忘れて、そして眠りにつくのだ。
「カーヴェ、そろそろ寝るのか」
「うん、眠るよ」
「じゃあ、俺のベッドにおいで、その方が広いから」
「どうして?」
「広い方がいいだろう」
「そうかもしれない」
ふわふわ、扉を開いて、歩いて、広いベッドに潜り込む。大きな手が、さらさらと頭を撫でてくれた。
「今だけは全て忘れていいんだ」
おやすみ、俺のカーヴェ。そう言われて、おやすみとすっかり眠る。
翌朝、ベッドを間違えたのかとアルハイゼンの寝顔を見て慌てるのは、いつもの話。
01/11 19:37