◎ドライフルーツ


アルカヴェ/掌編

「僕はドライフルーツを食べたい」
「そうか」
「だから作ったんだが、食べるか?」
「いただこう」
「どうぞ」
 カーヴェが小皿を差し出すので、アルハイゼンはカパと口を開いた。
「自分で食べろよ」
「いいだろう?」
「甘えため……」
 はいはいとドライフルーツを口に運んでやると、アルハイゼンはぱくりと食べる。指を引き抜くと、手が追いかけてきて、指先に口付けられた。
「手は洗うといい」
「ああもう! そうするからな!」
 だが、とアルハイゼンは咀嚼を終えて、言った。
「もう一回だ」


12/25 23:03
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