◎二番は嫌!


鉢くく


 同じ事だ。お前が雷蔵に変装することと、俺が豆腐が好きなことは。

「いや、違うでしょ」
「同じだろ。だって三郎は雷蔵が好きだし」
「確かに好きだけど、親友って意味でな。でも兵助はあれだろ、豆腐と結婚したいくらい好きなんだろ」
「うん。」

 即答すると、三郎は深い溜息を吐いた。豆腐と結婚出来るなら俺は豆腐になってもいい。ていうか豆腐になれるなんて素敵だ。

「あーもーじゃあ俺のことは?」
「好きだけど」
「軽い…」

 めそめそしだす三郎はちょっと鬱陶しい。ていうかコイツ何か勘違いしてないか。

「あのな三郎、俺は豆腐が好きだ。でも俺は豆腐と結婚出来ない。なら結婚したいのは三郎だ」
「…結局二番じゃねえか!」

 うわーんらいぞー!とかいいながら駆けて行く三郎。その出て行った出入り口を見て思う。

(人間の一番は三郎だって伝えたかったんだけど)





二番は嫌!
(三郎はもう少し俺の話を聞いてもいいと思うんだよね、勘ちゃん)
(痴話喧嘩は他所でやってよ)


05/25 02:18


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