◎共に生きよう


クロルフ♀


「愛している、じゃあ足りないのかもしれない。」
「はい?」
 それでも、俺はそう言うしかないのだ。それ以外の最高の愛の言葉を知らないから。
「死ぬ時は一緒だとかは、俺は認めない。認められない。人はいつか死ぬ。だが、死ぬことを前提の約束はしたくない。失いたくないんだ。これ以上、大切なものを。」
 とにもかくにも、つまり、俺はルフレが好きだ。愛している。愛している以上に愛している。
「クロムさんの言葉を聞いていて、思ったことがあります。」
「なんだ?」
「きっと“愛している”よりも愛している言葉を、私は知っています」

「“共に生きよう”です。」

「…ああ」
 ああ、それはいい。共に生きる。確かに使っていた筈なのに、愛している以上の言葉だと思ったことは無かった。
「“共に生きよう”ルフレ。」
「はい、クロムさん」
 この言葉、ルフレにだから意味が違うのかもしれない。だからこそこの言葉は輝くのかもしれない。愛が乗せられたから輝くのかもしれない。
「ずっと一緒、ですよ」
「そうだな。ルフレ、俺ずっと、いつまでも“共に生きよう”」



共に生きよう
(愛しい、愛しい)
(愛が乗せられた言葉はなんでも美しいことに気がつくのはいつになるのか。)



02/13 04:40
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