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 2016.01.25.Mon:00:31

第21回フリーワンライ企画様へ提出
使用お題:造花の花束
ジャンル:二次創作(ラヴヘブン)/BL/宮中
タイトル:沈む
#深夜の真剣文字書き60分一本勝負
たった250字程の短いお話です。


 花束を差し出して貴方は笑う。それはどうせ造花なのだろうと言えば、触るまで分からないさと貴方は言ってくれた。その優しさは時に相手を傷つけるのだと言えば、そうなのかもしれないねと微笑む。花束は差し出された侭、白で纏められたそれはまるで花嫁のブーケの様にも見える。だけど違うのだろうと思ったのは、きっと貴方に落ちてしまっているからだろう。俺は結局貴方へ傾く事に抗えず、唯々海の底に沈むように優しく落ちて行く事しか出来ないのだ。否、俺は何も出来やしないのだ。貴方に導かれる侭、其の儘。
「受け取ってくれるかな」
 俺はきっと底で溶けて消えるのだろう。



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