◎永久を約束


マツミナ


 選ばれたのがたとえあの子だとしても、僕は別の何かに選ばれていて。きっとそれはミナキ君がぼくを選んでくれたこのなのだ。その男にしては細くて滑らかな手で僕を指名したきみは顔を真っ赤にしていた。だから僕はその手を握り、僕こそと笑う。嬉しくて仕方がなくて涙すら溢れそうだった。選ばれなかった事に嘆き、情緒不安定にすらなった僕を支えてくれたきみ。そして選ばれなかったことに静かに涙したきみに寄り添った時間。それら全てが何より愛おしい日々だった。これから僕らはきっとそれより素晴らしい日々を重ねるのだ。共に過ごし、共に生き、同じ墓に眠るのだ。
「式の準備をしなくちゃね。」
 幸せを約束するよ。


11/04 02:35
- ナノ -