◎ひかり


チリオモ


 どこまでも、遠く。

 オモダカの理想を、チリはこうべを垂れて受け入れる。オモダカが目指す強いパルデアを、チリもまた望む。
 苦しいことも、不快なこともない。ただ、それこそがパルデアの望むべき世界だと思う。
 いつかオモダカがその手でトップチャンピオンという幻想を打ち砕いた時。チリはオモダカについていきたい。どこか遠くへ行く彼女に、連れて行ってもらいたい。
 受動的と言われてもいい。能動的な勝利をオモダカが求めていたとしても、チリにとっては、オモダカだけがトップチャンピオンなのだ。
 リーグから二人が抜けた時、きっと、ハッサクもアオキもポピーも明るく送り出してくれる。そんな確信があった。
 夢を見る少女のように。チリはオモダカを愛しているのだ。
「それは決して悪いことやないやろ」
 ええ、そうですね。オモダカがそう答えた気がした。


02/22 15:43
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