◎かくれんぼ


チリオモ


「チリ、あの、キラーメを見ませんでしたか」
「今、総大将の頭にいる子は?」
「この子は分かってます。もう一体、保護した子がいるはずでして」
 困り顔のオモダカに、チリは髪にもう一体もいるんとちゃうかと背中に回った。
「んーー」
「どうですか?」
「おる。よっと、ほら、出てきい。おいしいおやつを用意したるって、総大将が」
「そのくらいお安い御用ですが……」
「ほら、出てき、よっと」
 チリが二体のキラーメを抱っこすると、オモダカはくるりと振り返った。
「まったく、髪で遊ぶのはいいですが、かくれんぼは程々に、ですよ」
 クスクスと笑うキラーメたちに、オモダカとチリは悪戯っ子だ事と苦笑したのだった。


02/21 19:32
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