◎跳躍の約束


チリオモ


 跳ねる。
「ゴーゴート!」
「あかんって、総大将!」
 ゴーゴートに飛び乗り、オモダカが駆けていく。あっという間に離れる姿に、チリは慌ててタクシーを呼んで追いかけた。

 パルデアで悪事を働いていた草の芽のようなそれを潰していた。チリが辿り着いた時には、ずりずりと人々がひれ伏していた。
「ああ、チリ。警察を呼んでください」
「もう呼んどる。あー、無理せんといて」
 そうでしょうか。オモダカは柔らかく笑む。
「無理なんてことより、パルデアの健やかな発展が最優先ですから」
 相変わらずだこと。チリは息を吐いた。
「事情聴取もあるで」
「構いません。ああ、スケジュールを空けるように伝えておいてください」
「はいはい」
 チリはオモダカの秘書たちにメッセージを簡易的に送る。オモダカのパートナーたちは、犯罪者たちに睨みを利かせていた。
「で、警察着くまでこのままなん?」
「そうなりますね」
「トップチャンピオン様の時間を取るなんて悪い子たちやな」
「ふふ、そうですね」
 特急のタクシーが飛び込んでくる。警察の到着はもう完了と言って差し支えはなかった。


02/08 08:08
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