◎トラブル
キバネズ
キバナが夜露に濡れて帰ってきた。
「てっきり、今日は帰らないものかと」
夕飯は食べましたか。ああもう夜食の時間ですね。ネズははつりと瞬きをして、タオルを差し出した。キバナはありがとうと受け取って夜露を拭うと、長いため息をついた。
「つかれた……」
「まさか、今の今までジムの仕事で?」
「そのまさか。ジムの防護壁が壊れてさ。システムから全部洗って修復」
「業者、には、任せられませんね」
「そうなんだよ。なんとかポケジョブを信頼してるところから借り受けてさ。徹夜になるかと思った」
「お疲れさまです。では軽く食べましょう。シャワーを浴びてきてください」
「何かあるの?」
「イモのグラタンでも作りますよ」
「がっつりじゃん」
「普段のおまえはもっと食べるでしょう」
まあな。キバナはそう言ってシャワールームへと消えた。
さてはて、残されたネズはすっかり冷え切った彼が温まることを期待しつつ、腹からも温めてやろうとキッチンに向かったのだった。
なお、キバナのパートナーたちは既に夕飯を済ませていた。全く、トレーナーとはこれだから困るのだ!
01/21 21:31