◎おんなじ


キバネズ


 見えないものが見える人がいる。ネズは、何も見ない。彼らは、ネズを嫌うから。だから、ネズはあくタイプを扱える。相棒として隣に並べる。見えないものを、見たかったこともある。でも、今となっては、若かりし夢だった。
「霊感、ないんだ」
 キバナの問いかけに、ええとネズは答える。間違いではない。インスピレーションという言い方なら、影響を受けている気がするけど。
「オレは見えるよ」
 キバナは、にっと笑う。明るい笑みだ。ぞろぞろと、悪いものが退いていく。見えないものだ。ネズには、見えない。
「みーんなネズを避けて歩くんだ」
 勿体無いよな。キバナは楽しそうに語っていた。


01/12 19:22
- ナノ -