◎バトルをすれば全てがわかる


キバネズ


 知らないもの、知ってるもの。キバナは、知らないものが本当に多いことを知っている。
「ネズは何でも知ってるみたいだ」
 すごいや。キバナは言う。キッチンで紅茶を淹れていたネズは、呆れた声で、知りませんよと否定する。
「おれがそんなに物知りに見えるんですか」
「うん」
「いい病院を紹介しましょうか」
「ひどくね?」
 あーあ、ネズが冷たい。キバナがふくれっ面になると、ネズはやっぱり呆れた顔をして戻ってきた。手にはミルクティーの入ったマグが二つ。
「温かいでしょう」
「ミルクティーはな」
「感謝なさい」
「偉そう」
「どうしろってんです?」
 ネズの呆れきった顔に、キバナは、にぱっと笑った。
「オレとバトルして」
「……呆れた」
 その声に、知ってるとキバナは笑っていた。遠目に見守っていたパートナーたちは、またやってると興味を失った様子だった。


01/06 17:20
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