◎星空


グラハウ/星空/現パロ、学パロ/らりるれ狼さん誕生日おめでとうございます!(遅刻ごめんなさい!)


 ぽん、ぽん、歩く。きら、きら、星が煌めく。

 海沿いの道を歩く。中学生のグラジオは、夜に出歩くのは危ないぞなんて言う。今日はお祭りだから大丈夫、とおれは笑う。それに、きちんとじーちゃんには許可をもらっている。相棒のライチュウもいるし、何よりグラジオがいるから大丈夫だと。そう言えば、グラジオは全くとため息を吐いた。
 夜中、海辺の学校への道を二人で歩く。この島には学校が一つしかないので、小学生と中学生が同じ学校に通っている。高校生になったら島を出て、遠くの学校に行かねばならない。グラジオもそのうちおれより先に行ってしまうんだなと思うと少しだけ悲しかった。
 街灯、電気の光が少ない島で、空を見上げる。星空は今日も満天で、変わらないなと思った。変わらないが、おれはこの星空が好きだった。昔、とーちゃんと見上げた空、じーちゃんが星座を教えてくれた空。何より、以前、グラジオが星空が好きだと言っていたからだ。
 おれはグラジオが好き。だからなのか、グラジオの好きなものも大抵好きだ。星空は好きになるより前から好きだったけど、グラジオが好きだと言った時からより好きになった。
「グラジオ、星が綺麗だねー」
 上空を小さな飛行機が飛ぶのが見えて、あれは流れ星みたいだと笑えば、グラジオはそうだなと静かに言った。
「とても綺麗だ」
 その声がとても澄んで聴こえて、何かあったかなと彼を見上げれば、グラジオがおれを見ていた。なんだ、空を見てないじゃないか。そう頬を膨らませば、グラジオはまだ早かったななんておれの頭を撫でた。
「もー! 子供扱いしないでよー!」
 お祭りは学校近くの神社にて。早く行こうとライチュウと走り出せば、転ぶぞとシルヴァディと一緒のグラジオが後ろから声をかけてきたのだった。


04/01 00:06
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