◎胸の奥 恋を灯した君※両片思い※ハウ+ヨウ+ミヅキ


グラ→←ハウ前提ハウ+ヨウ+ミヅキ
タイトルは水魚様からお借りしました。
作業用BGM→嘘ツキ電波(初音ミク)


 この胸の奥にグラジオへの思いがある。それは決して柔らかなものではなく、痛みを伴う思いだ。

 場所はマラサダショップの一角。町中のそこでマラサダを手に、おれはヨウとミヅキと三人で会話していた。
 ふと、会話の間に静かな間が生まれた。その瞬間にぼんやりと、おれは口から言葉を零した。
「優しいって何だろうねー」
 そう二人の前で呟けば、それは幸福を伴うものだと言われた。
「幸福ってなにさー」
 幸せなことだよとヨウは笑った。ミヅキもまた、笑っていた。全然答えになってないとぼやきながら、幸せねえと考える。どこから見ても、おれに対するグラジオの態度は優しいと思う。優しい、そう、一般的に優しい部類に入るだろう。だけど、おれはその優しさに胸が痛む。満足に呼吸ができなくて息が詰まり、苦しくなる。
「じゃああの人は優しくないんだねー」
 だってこんなにも苦しいんだ。彼のことを考えるだけで、こんなにも痛いんだ。そう言えば、ヨウとミヅキは顔を見合わせてから、ふわりと笑った。
「「そういうことは本人に言わなくちゃ」」
 言えたら苦労しないのに、二人は唯々おれの事を笑っていた。


11/13 18:36
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