◎ほんとにほんとにすきだけど、すきだからこそだめなこと@別れ
マツミナ/別れ
その手を取ってはならないのだと。
夢を見ているようだった。きみの隣に立つことは何よりも幸福で、永遠すら錯覚していた。けれど違ったのだ。私ときみに永遠なんてあるはすがなかったのだ。同性同士ということもあるだろう。大人になってしまったからというのもあるだろう。つまり、きみも私も蔦のように絡みつく世間体があったのだ。家族のこと、世継ぎのこと。私もきみも一人っ子。一族からの圧力は私たちには重過ぎた。
無理に離される前にと、私はきみに別れを告げた。きみは静かに了承してくれた。
きみはきっと分かっていたのだ。きみだって私と同じ大人だし、私より一族からの圧力が大きかった。だからこれは決して偶然だとか転機ではなく、必然的な予定調和なのだと。
さよならの惑星
06/29 21:55