◎角砂糖とコーヒーシロップ@短い
うぐしし
鶯さんの指先が白から焦げ茶に染まりかけた角砂糖に触れて、つまんだそれを俺の口へと運んだ。
「口を開けて。そうだ、いい子だな。」
舌の上に置かれたそれ。口の中に広がった甘味と香りに目眩がする。主が持ってきたという珈琲を染み込ませた白い角砂糖。甘い味と華やかなまでの珈琲の香りに脳みそが溶けてしまいそうだ。
「ほら、獅子王。もうひとつある。」
微笑みを浮かべてそう言った鶯さんは本当に楽しそうで、何だか嬉しくなって、俺はまた口を開いたのだった。
09/14 21:09