◎幸せを噛み締める


うぐしし
タイトルはシングルリアリスト様からお借りしました。


 お前はやわらかな芽を慈しみ、手を差し伸べる。そのことを優しいといえば、お前は鶯さんだって優しいじゃないかと笑うんだ。
「鶯さんがみんなをよく見てること俺、知ってるんだからさ」
 明るい日差しの下。きんいろの髪を揺らして、獅子王は笑っていた。
「だから、鶯さんは優しいよ」
 刃色の目に俺の色を写して、獅子王はとびきり優しい顔をしていた。

 これを人は幸せと言うのだ。



05/14 21:58
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