◎縹色の空を爪弾く様にして


うぐしし
タイトルは水魚様からお借りしました


 青い花のような空を見上げて、手を伸ばす。うんと伸ばした先には何もないのに、何かがあるような気がした。りぃんと響く風鈴の音。それを奏でるように、空に向けて琴を爪弾く動作をすれば、隣に座る鶯丸さんが優しい歌を歌ってくれた。
「鶯さんには似合わないな」
 心にもないことを、照れ隠しにと早口に言えば、鶯さんはそう言うなと穏やかに微笑んでくれた。



05/11 00:35
- ナノ -