◎おやすみ可愛い子


髭獅子/お昼寝


 暖かな日、昼間、おやつ時。獅子王はふらふらと縁側を歩き、良い寝場所は無いかと探していた。時間は午睡にちょうど良い頃。おやつを食べ終えて程よく腹が満たされた獅子王はとても眠たかったのだ。
 ふらふら、ふらふら。体が揺れると彼の金色(こんじき)の髪も揺れた。
「おや、獅子王かい? 」
 ふと声をかけられて、獅子王はそちらを見る。そこには縁側に腰掛けた髭切がいた。
 膝丸が探してたぜと言いながらも、獅子王は背中にもたれ掛かるように座った。そして腕を回してひっつき、ふわと欠伸をする。眠いのかいと、髭切が問いかける。獅子王は小さな声で、うんと呟いた。
「そっか、それならしょうがないね」
 ゆっくりおやすみ、可愛い子。そう言った髭切に獅子王は幸せそうな顔で眠りについたのだった。



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