◎ずるい子だあれ
髭獅子/追記に蛇足的設定
獅子王がくるりと回る。どうかなと笑った彼はいつもとは違う浴衣姿で、主が買ってくれたのだと言っていた。
そんな獅子王を見守っていたのが髭切である。彼はその姿を見てうんうんと笑った。
「とてもよく似合っているよ。弟がさっき見かけたと教えてくれた通りだ」
「えー、膝丸にバレてたのか。吃驚させようと思ったのに」
なあんだと軽やかに唇を動かして、それならと髭切を見た。
「これから扇子を見に行くんだけど、髭切も一緒に行こうぜ」
似合うものを選んでくれよと獅子王が笑うと、髭切は仕方ないねと微笑む。
「それならとびきりよく似合う髪飾りを買ってあげようね」
長い髪には必要だろうと笑った髭切に、獅子王は目を丸くしてから、一枚上手かあと口をとんがらせたのだった。
追記
11/14 00:34