◎かぶりついた


膝大包


「しゃいんますかっと大福だ」
「何だそれは?」
「ふるーつ大福の一種らしい。審神者が勧めてくれたのだ。茶も持ってきたぞ」
「ならいただこう。二振り分だろうな?」
「ああ」
 大包平がちゃぶ台を組み立てて、その上に茶の用意を膝丸が置いた。鶯丸と髭切は二振りで遠征に行かされている。どうやら近侍の鶴丸の采配らしい。なぜだと聞いたら、君たち最近疲れているだろうと指摘された。そんなつもりはないのだが。
「膝丸?」
「ああいや、何でもないぞ。先に食べてみてくれ」
「別に順番など、どちらでもいいだろう! お前が食べたかったのではないか」
「そういう訳ではないのだが」
「審神者は刀をよく見ている。きっとお前が食べたそうにしていると思ったのだろう!」
「それは、そうかもしれないな。一緒に食べるか」
「ああ、そうするぞ」
 頂きます。そうして二振りは大福にかぶりついた。



10/11 19:18
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