◎エンドルール@村雲江


村雲単体/五月雨と審神者も少し出てきます。


 終わり方に決まりがあるとして。
「歴史は変わらない」
 変えてはならない。だから、戦う。村雲は、戦場に立つ。すらりと刀を手に、虚ろな時間遡行軍と向き合う。
 歴史は変えてはならない。たとえ、それが己を縛る由縁だとしても、変えない。変えたくない。それは刀剣男士の本能であり、村雲の代え難い芯だ。
 雲さんは真っ直ぐな方ですね。昨日、同室の五月雨に言われた。そうだよ。村雲は胸の内で肯定する。捻くれてる、腹は痛い。でも、そこだけは変えない。善悪や、正義か悪か、誠か嘘かなんて、人の業で、刀の身に関係はない。本当は分かっている。気にしいな素振りをしても、本当は分かっていた。
 歴史に残る、それだけが、己が所以。ここにいる、刀剣男士としての意義。
 大丈夫。怖くないよ。
 村雲は一太刀で敵を葬る。次、次と戦い続ける。分かっていた。この戦いに終わりはない。だから、村雲が励起に至った。決して、良いばかりではない刀ではない己が、選ばれたのだ!
「勝った方が、正義なんだろ」
 決まりきったセリフが白々しい。分かっていた。
 己を振るうは審神者である。その腕の先に、己がいる。村雲はただ、戦う。だが、意思はある。審神者はただ、微笑んでいた。五月雨は、終わりなき戦いに身を投じる村雲を嘆いてくれた。
 大丈夫。怖くない。
 さあ、全てをねじ伏せて、歴史を守ろう。



06/12 21:37
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