▼ ちいさなへや
Mar 30, 2023(Thu.) 15:35
膝獅子


 やわらかな胎のなか。
 日の光が頬に当たった。東屋で一人、何も考えずに寝転がる。やることは何もない。与えられた休暇は日々の疲労により、無駄にはならなさそうだ。
「膝丸」
 白い指が太陽を遮るように頬を撫でた。指の持ち主である獅子王はそっと笑うと、そのままでいろよと立ち上がった。
「今、昼飯持ってくるから」
 今日は俺がお世話係だからなと、彼は笑った。



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