◎嫉妬と折り鶴
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紫♀今♀/一人称も口調もそのままです。身長は-10ぐらいをイメージしてますが、特に描写はありません。
「なにしてんのー」
「あ、紫原や」
デートの待ち合わせ場所に着くと、今吉はカフェの中でコーヒーを飲んでいた。だが、今吉の手元を見ると、小さな折り鶴があった。
手慰め程度にな。こちらに気がついた今吉は折り鶴の羽を広げた。
「折り紙持ち歩いてんのー?」
「そないなワケないやろ、これや」
ぱらりと広げた折り鶴は、どうやら書き損じのメモ帳らしかった。丁寧な字で、何かが綴られている。贈り物、だろうか。
紫原はもやもやとしながら、きゅっと今吉に抱きついた。
「ちょ、紫原、ここは外!」
「分かってるしー」
「離れろや!」
「もう少しねー」
ねえ、センパイ。紫原が今吉を包み込みながら言った。
「その手紙、誰への?」
ぎゅうぎゅうと抱きしめながら言えば、今吉は嫉妬なんでらしくないでと言いながら、耳をほんのり染めて、告げた。
「紫原に、手紙書こうと思うたんやけど、贈るより、喋ったほうがええなって」
「ふうん」
露骨に機嫌を直した紫原に、ほら離しいと今吉は肩を抱く腕をぺしぺしと叩いたのだった。
08/26 14:43