◎眠れぬ夜に


宮♀今♀


 眠れない。もぞりと動くと、どうしたと宮地が声をかけてきた。宮地の家に泊まりに来ていて、今吉は彼女と触れ合って寝ていた。
「眠れねーの」
「うん。まあ」
「じゃあホットミルクでも作るか」
「宮地、ホットミルク作れるん?」
「温めるぐらいできる」
 頬を撫でられる。今吉は、すり、と手に擦り寄った。温かくて、柔らかい。今吉と同じ、女の子の手だ。
「宮地が、」
「うん」
「温めてくれへんの?」
 きゅっと抱きしめられる。柔らかな体。宮地の方が、背が高くて、モデルのように少しだけ筋肉質で。今吉は少々ふっくらとしていた。
「眠るほうが先だろ」
「けち」
「殴るぞ。様子のおかしい恋人に手を出すアホじゃねーんだよ」
「……うん」
 宮地は、優しい。今吉はくったりと体を預けた。

12/21 20:03
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