「あー…ケンカしてぇ」
ふいに後ろから聞こえた言葉に、思わず飲んでいた紅茶を吹き出してしまった
え、なんて?
いまなんて言った?このバカ男鹿は
「なーさゆー。東条に連絡してくれよ」
「普通彼女といるときにケンカしようとする!?」
しかも相手は東条さんって…ガチなケンカじゃんっ!
「コンビニ行きてー」
みたいな感じに言うような相手じゃないしッ!!
「だってよ、ヒマだもん」
「だもん、じゃないしっ
何これ新手のいじめ?帰るよ?私」
雑誌を男鹿のベッドに向かって投げ、立ち上がろうとした手を後ろから掴まれた
「ちょっと男鹿、私帰りたいんだけど」
「…ヒマだからよ、ケンカがダメだってんならさゆといてやるよ、仕方ねーから」
ちょっと目を逸らしながらボソボソと呟かれた言葉に吹き出しそうになったのを堪え、もう一度床に座る
「仕方ないから、男鹿といてあげるよ」
笑顔でそう言えば、男鹿は「…ぉぅ」と小さく口にした