「あーん」
「…なんだよ」
ガムを口に入れた一哉に向かって
あーん、と言いながらもう一度口を開く

「…さゆ」
「はい」
「なんなんだよ、お前!?」
顔を赤くして言う一哉に顔をぐいっと近づける

「近いっつーの…ッ」
「えー?」

あっヤバい
照れてる顔見てたら楽しくなってきちゃった

「〜っこのッ」
「わ…ッ!?」

…わー、今日は綺麗な青空だなぁ…

って、違うッ!!

「かっ一哉!?なんで押し倒してんの!?
頭おかしくない?ガム男ッ!!」
「…なんだこれ?なんでオレ、彼女に貶されてんの?泣いていい?てか泣くよ?」
私の上で口を歪ませる一哉に苦笑いが零れてくる

「さゆー」
「…なにかなー?」
「オレね、すっげー傷ついたわ」
「…そっかぁ」
ヤな予感しかしないこの状態に冷や汗がダラダラと背中を伝う

へるぽみーッ花宮ーッ!!
コイツ止めれんのあんただけだッ!!

「ッ!?」「よそ見すんなっての」
何度も重ねてくる唇にだんだん息が荒くなってくる

「っん、かず…ッ」

自主規制をかけたくなってきた雰囲気に酔っていると、

キーンコーンカーンコーン

どこか間延びしたようなチャイムが学校に響き渡った

「あーあ、予鈴鳴っちったよ」
「っは…は、やく…」
早くどけ、そう言いたかったのに、一哉はなにを納得したのか再び唇を重ねてきた

そして、

「んな焦んなくても1時間できたからゆっくりしてやれるって」

ムカつくくらいいい笑顔で言ってきた

「なにする気だ原ーッ!!」
「なにって…オレに言わせる気?」
「その前髪切るぞ、原ッ!!!」

でもほら

もう一度キスをしたら
2人の秘密の始まり



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