たまたま聴いちゃった
大好きな諏佐くんと幼なじみの翔一の話に私はしばらく動けなかった

「…失恋じゃん」
諏佐くんと仲が良くて可愛くて髪の長い女の子

それが諏佐くんの好きな人

「翔一もメールとかで聞けばいいのに」
あんな話、教室で話してたら誰かに聞かれるとか考えてよね…

「あー…失恋だぁ…ッ」
誰もいない教室で机に突っ伏す

…告白しなくて良かった。
直接諏佐くんの口から聞いてたら多分、立ち直れない

「あれ、清水?」

ぼやけてきた視界を遮るように目をこすった瞬間、扉の方から名前を呼ばれた

「あ…」
驚いたように立っているのは悩みの種の人物で

「え、お前なんで泣いてんの?」
「…花粉」
「いや、いま出てないし」
心配をかけないように嘘をつき、すかさずつっこまれた

「泣くなっての」

手が伸びてきたと思ったら、諏佐くんは私の目尻を指でこすった
その優しさがつらくて

涙はさっきよりも流れてきた

「清水!?」

慌てて拭ってくれる手を掴んで涙で濡れた顔で諏佐くんを見る。
お願いだから…

「優しく、しないで…ッ」

諏佐くんの指を握っている手に自然と力がこもる

「私、バカだから期待しちゃうの…
失恋ッしたのに…ッ!!」

口を開くたびに涙が頬を伝う

「私…諏佐くんが好き、なのッ」

後半はもう完全に鼻声
…なんて間抜けな告白だ

「清水」
「…ッ」
離そうとした指先が諏佐くんによって重なった

「俺も好き、なんだけど」

照れくさそうに
でも、カッコよく?
なんとも諏佐くんらしい告白に、自然と笑顔が零れた

翔一ッ
諏佐くんと両想いだった!!

自分ら、くっつくん遅いわ

…翔一の策略にハマった!?



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