「もー無理ッ!!」
シャーペンを机に投げつけておでこをガンッと課題の教科書に打ちつけた
…痛い

「さゆ、そんなことしても終わらないぞ」
「…わかってますよー」
唇を尖らせながら顔をしぶしぶ上げて本を読んでいる征十郎を睨む

「征十郎は頭良いからいま楽できてるんだよね…」
「さゆは課題を残したまま遊んでいたからだろ」
「遊んでないもん。」

ただちょっと、毎回のようにバスケ部を見に行ってただけだもん

征十郎には内緒で、だけど

ムッスーとした表情で課題に目を落とす

わっかんないなぁー…

「わからないのか?」
「わかんないー…
なんで英語が存在するのかがわかんないー…」
隣に座ってきた征十郎の肩にくたっと頭を乗せて呟く

「早くやらないと終わらないぞ」
「なんかもーいいやぁ…
征十郎といちゃついてたい」

久しぶりなんだもん
2人きりでゆっくりできるの

「さんざん部活見に来てたんだ。いまさらじゃないのか?」
「…気づいてましたか」

私の頭を撫でてくる優しい手に目を細める。
なんだかんだ優しいんよね、征十郎は

「あれだけ見られてて気づかないわけないだろ」
そんなに見てたのか、自分

「…ねー征十郎」
「なんだ?」
「課題やんなきゃヤバいかな?」
「さらに増えると思う」
「ですよね」
名残惜しいけどやっぱやんなきゃな…

ふらふらと征十郎から身体を離してシャーペンを取る

そして、ふと思った

「征十郎」
「…今度はなんだ」
「課題頑張ってやるからさ、チューして?」
珍しく私からキスの催促

征十郎は少し目を見開いたあと、すぐにいつもみたいに笑ってキスをしてくれた

「…ミラクルキッスだ」

そう呟いて、

「征十郎とキスすると頑張ろうと思えるみたい」
再び本に集中しようとした征十郎に今度は私からキス

あ、またやる気出てきた



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