「っサイテー…ッ」
目の前にいる男、花宮真を睨んで呟く

花宮は、友達とケンカして1人泣いていた私に向かって

「お前の泣き顔うぜぇから
大嫌いなんだよな」

と一言言ってきたのだ

「嫌い、ならどっか行けば?」
弱々しく鼻を啜りながら言えば花宮は「はっ」と鼻で笑ってから

「やっぱ訂正。清水の鈍さの方が嫌いだ」
スッゴい見下した目で言ってきた

「…は?」
いや、私別に鈍くないでしょ
花宮が私を嫌ってることにも気づいてるし

「その目

ホンット虫唾が走る」
「…ッ!?」
コイツ今、

「キス、した…?」
「そんくらい理解しろよ、バーカ」
花宮はそう言うと再び私にキスをしてきた

「っやめ…ッ!!」
「清水が好きなんだよ」
「は!?」

「好きだ」

身体と思考が固まった

コイツが私を好き?
あり得ない。
だって、あんなに…

「さんざん意地悪言ってきたくせになによ、いまさら…ッ」
「お前がいつまでも気づかねーからイラついたんだよ」
「…花宮も同じじゃない」
「はぁ?」
バカにしたように私を見てきた花宮を睨んで口を開く

「あんただって、私の気持ちに全く気づかなかったじゃない!私だって好きだったのに…ッ」
「今はどうなんだよ?」
花宮の言葉に唇を結んだ

今…今は、

「…好き、多分」

なんとなく恥ずかしくて語尾を小さくした

「はっ多分ってなんだよ」
「っ多分は、多分!!」
からかい口調の花宮がムカつく

でも少し
本当に少しだけ赤くなってる花宮を見たらなんにも言えなくなったんだ



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