学校も家も嫌い。
屋上にいるのが一番落ち着くんだよね…

「生きてんのめんどくさーいっ」
ゴロンッと寝返りをうって目を瞑る

「なんや、可愛らしい女の子がおるやん」

頭上からした関西弁に反応して目をゆっくり開ける
あー…誰だっけ?今井?

「今吉、や」
「そうそう、今吉」
上半身を起こして、ビッと指を差すと、「せや」と言って隣に腰を下ろしてきた

「で、なに?」
「良い天気やから屋上に上がってきたんよ
そしたら清水さんがおったから声かけたっちゅーわけや」
「…意味わかんない」
私がいたからなんなの?
今吉苦手なんだよね…
何考えてるかわかんない表情が嫌だ

「なんや清水さんには嫌われとるみたいやけど…
まぁええわ」
「いいのかい」

「なぁ、清水さん」
「…なに?私寝たいんだけど」
「自分、彼氏おるん?」
「いない」
「好きな人は?」
「いない
ちなみに、気になる人もいないから」
次に聞かれるであろうことを先に答えた直後、視界が今吉と青空でいっぱいになった

「痛いんだけど」
「…清水さんは叫ぶっちゅーことせんの?」
「きゃー離れて、今吉くん」
「めっちゃ棒読みやん」
「もういい?」
とりあえず離れろ、と言って睨むとなぜかキスされた

「え、意味わかんない
なにしてんの?」
「清水さんのことが好きや、言うたら驚くか?」
「当たり前じゃん」
「さゆが好きや」
「私は嫌いよ」
「なら落とすまでや
覚悟しいや?さゆ」
今吉はもう一度キスをすると怪しく笑って屋上を出て行った

「…ヘンなやつ」
そう思うのに、キスが不愉快じゃくて戸惑う

ないない…
てゆか、絶対いや

「…寝よ」

今吉なんか気にならない

そう言い聞かせて再び瞼を閉じた



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