もともと苦手だったんだ
アイツみたいに、クラスの中心にいるタイプは

「さゆさんッ」
あぁ、今日もまた話しかけてきた

私は鬱陶しさを全面に出して話しかけてきた人物を見て小さく「なに」と言った

高尾和成

いつもクラスの中心にいる、私とは正反対なタイプ
なのに、
「相変わらずクールだなぁ」
なんて笑いながら毎日話しかけてくる

最初はうざくてたまらなかったのに今では慣れた自分が怖い
「なに?高尾くん」
「だからー和成でいいって、」
「なに?高尾くん」
再び同じ言葉を口にすれば、諦めたような表情をして私の前の席に座った

「ピアス、変えたんだねー」
「あぁ…変えましたよ」
横髪を耳にかけて言えば、
「ピンクになった」
と楽しそうに言われた
なにがそんなに楽しいのかわかんないんだけど

なんて思いながら髪の毛を戻せば、

「待った!!」
高尾くんは再び髪の毛を耳にかけた「…なんですか?」
「血出てる」
そう言われて慌てて鏡で耳たぶを見れば確かに血が滲んでいた

あー…
朝制服で引っ掛けたときのだ。
こんな時に限って消毒液を持ってないなんて、なんてツいてないんだ…
仕方ない…水で洗ってくるか

そう思って立ち上がろうと身体を動かす…が、

「…高尾くん、ジャマ」
目の前にいる男に腕を掴まれていてトイレに行けない

「座って座って♪」
座らないと離してくれなさそうな雰囲気に仕方なく椅子に腰をおろす
「動かないでねーッ」
「ちょっとな…ッ!?」
なに、そう言おうとした口が止まる

コイツいま、

「よしっ止まったみたい」
「なっななな…ッ!!」
舌をペロッと出して満足そうに笑う高尾くんになんとも言えない感情が湧き上がってくる

み…ッ耳舐めたぁぁぁッ!!

耳を抑えながら口をぱくぱくと動かして声にならない叫びを上げる私の耳に再び近づくと高尾くんは

「俺さ、さゆさんが好きなんだよね。だから…

これから攻めてくから覚悟してよね」

高尾和成
今私の脳内で、危険人物に認定されました

だからお願い。
ドキドキしないでよ、私の心…ッ



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