女の子なら、彼氏にちょっとくらいヤキモチ妬いてほしいわけじゃないですか？
でも、私の彼氏はヤキモチとか無縁なわけでして…
「どう思いますか、スガさん！」
「えっ!?」
なんで俺に聞く？とでも言いたげなスガさん
だってスガさん、モテるじゃないですか、恋愛に関してはプロじゃないですか、プロ
と心の中で呟いてスガさんの隣に座る
「さゆ、近…っ」
「他の人とこーんなに近づいても、飛雄は多分はヤキモチとか妬かないんですよ
あー、私は悲しいですよ、スガさん」
「えー、影山はヤキモチ妬きだと俺は思うけどな」
「まさか！いろいろと鈍い飛雄ですよ？ヤキモチなんて…」
きっと妬かないですよ、と続けようとした私の腕が後ろから誰かに引かれた
「げ、…じゃあな、さゆ」
「えぇ、スガさん!?」
スガさんは私の後ろを見るといそいそと教室を出て行ってしまった
「おい、さゆ」
「………はろー、影山飛雄くん」
「はろー、じゃねぇよ」
にへ、と笑うと腕を掴んでいる飛雄の力が強くなった
…ちょっと痛い、かも
「俺だって、ヤキモチくらい妬くぞ、こら」
「………申し訳ないっす」
「だから、」
「う、わ…っ!?」
掴まれていた腕を引かれ、飛雄の胸に飛び込む
「とび、…っ!?」
ピリ、とした痛みが首筋に走った
え、ちょ、飛雄さんー!?
「と、びお…っ！」
ぐいぐいと頭を押すが全く動こうとしない飛雄の髪の毛をわしゃわしゃと撫でる
「っ、なにすんのさ！」
「なにって、」
「や、やっぱ言わなくていい！」
「？そうか」
飛雄はするり、と離れるとぐいっと私の腕を引っ張って立ち上がらせた
「わわっ」
「さゆ」
「は、はい」
「確かに俺はわかりにくいかもしれねぇ」
「…そーですね」
「けどな、俺だってヤキモチくらい妬くぞ」
「…みたいですね」
「だから、」
「っ近い！」
近づいてきた顔を押すとむちゃくちゃ不愉快そうな表情をされた
「またヤキモチ妬かせようとしたら、いくらでもやってやるからな」
飛雄はそう言って首筋を指さした
首筋にキス
(首筋は「執着」)