貴志とまともに関わらないまま1週間を過ごしたい

そんな私の希望はあっさりと打ち砕かれた


「さゆ、いい加減にしろよ」
家に帰ってすぐ、端整な顔を歪ませた貴志に捕まってしまった
…やっぱこうなるよね

「いやね、別になにか隠してるわけではないんですよ?貴志さん」
ただちょっと、言いにくいことがあるだけなんです。
とは言えず、貴志から目をゆっくり逸らそうとすると、私の手首を握っている貴志の手に力がこもった

「なに隠してる?」
「…………なにも?」
「なんだよ、今の間は」
「いや、別に」
「…言わなきゃ襲うぞ」
「おそ…ッ!?」

普段の貴志からは到底想像つかない単語に驚いて、思わずばっちりと目を合わせてしまった

あ、と思ったときにはもう遅くて、

私の身体は部屋の隅にたたまれていた布団の上に押し倒された

「あの、貴志…?」

冗談だよね?

なんて聞ける雰囲気じゃない

初めてみた貴志の射るような目に、心臓が高鳴った

この状態が続くのはヤバい

本能的にそう感じ、意を決して口を開いた

「…い、いま女の子の日、でして…あの…今貴志を見ると、ムラムラ、するの」

ずっと隠していた秘密は確かに口から出たが、それは蚊の鳴くような小さな声だった

あぁ、言っちゃった…

もう開き直るしかない

「ほら、言ったんだから離れてっ」
照れ隠しで明るく言い、貴志の肩を押す。が、びくともしない

「貴志、」
「だめ、俺が我慢できなくなった」
「え?」
耳元で囁かれた言葉を必死に理解しようと頭をフル回転させていると、貴志が首元に顔をうずめてきた

「…ッん、」

え、ちょ、キスした…ッ!?

唇が徐々に下に降りていき、それに比例して強く吸っていく

ど、どうしたらいいの、この状態ーッ!?






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