Clap
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『俊…助けて…ッ』


ある日のPM.9:00

鳴り響いた携帯に耳を当てると、すぐに聞こえてきた弱々しい声



「は?どうした?」
『も、無理だよぉ…』


質問に答える余裕すらないのか、だんだん泣き声になっていく彼女



「今どこにいる!?」
『がっこ…』


なんでこの時間に学校にいるんだよ…


そう思いながらも急いで寝間着を脱ぐ

…なんだかんだ甘いんだよな





「…どこだよ」


一言に学校、と言っても広すぎてどこにいるか見当なんかつかない


電話をかけようと携帯を取り出した瞬間、



「俊ッ」



どこからか声が聞こえた

でも周りを見渡しても見当たらない



「ここッ上!!」



上?



「はぁッ!?」


上を見上げて唖然とした


俺の目に映ったのは、木に必死にしがみつきながら目に涙を溜めている彼女の姿



どんな状況だよ!?



「俊ー…も、手が無理ぃ…ッ」



手をプルプル震えさせながら呟く声で我に帰る



「…仕方ない」
「な、に…」

今にも泣き出しそうな雰囲気に口元を緩めてから





「おいで」





と、腕を広げて言えば少し顔を赤らめて「あ、ぅ…」と口の中で呟く



「お…重いですよ?」
「大丈夫だって
ほら、急がないと落ちる」


そう急かせば、少し間が空いてから


「いきます…ッ」


と聞こえた



「せーの…ッ」


かけ声のあと、目をつぶりながら木の上から飛び降りてきた




「…スゴい力」
「男ですから」




ちょっと変わってるけど
可愛い反応をくれるから今回は見逃そう




[なんで木に登ったわけ?]
[なんか登りたくなって…つい登っちゃった]
[…つい?]





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