【恋人契約の原理】

17世紀中期に活動したエリクソン=カーター医師の実験により、その大まかな原理は解明された。



『契約前において異形の血は完全に沈黙しているが、そこに他の異形の血を流し込むことで血を覚醒させることができる。異形の血はそれぞれ固有なものであり、何一つとして同じものは存在しえない。今回の実験において、驚くべきことが判明した。未覚醒の検体Aに未覚醒/覚醒済の検体B-1,2を与えたところ、両者は互いに反発しあい、さらには最終的に融合したのだ。また、覚醒済の検体B-2は「千里眼」の能力者から採血したものだが、この過程において千里眼の能力は完全に消失した。検体A,Bの融合によって生まれた検体Cは「焔を操る能力」を開花させたのだ。

ーー「エリクソン医師の論文」より』



【恋人契約の解約手順】

恋人契約を結んだ相手と再度血の交換を行うことで解約となる。
その原理は詳しくは解明されていないが、現時点で以下の説が有力なものとなっている。


『17世紀に書かれた「エリクソン医師の論文」によって、契約における血の覚醒の原理が解明されたが、では解約する場合には一体何が起こっているのだろうか。私が独自に行った実験の結果をここに記す。
手順は至極簡単である。
まず、未覚醒の検体Aには黄色の、未覚醒の検体Bには青色のマーカーをつけておく。
検体AとBを2:1の割合で混ぜた際に誕生した検体C(千里眼)と、検体AとBを1:2の割合で混ぜた際に誕生した検体D(瞬間移動)を用意しておく。
この時点で検体Cのマーカーは黄緑色を、検体Dのマーカーは深緑色を示していた。
次に、検体CとDを2:1の割合で混ぜたところ、検体Cからは検体Bの青色のみが消失し、マーカーは黄色に変化した。Dでは反対のことが起こった。
このことから、覚醒済の血に、覚醒の際に与えた物と同じ血を与えると、与えた血が消失するということがわかる。
契約により互いの血が交わったことで、相手の健康状態や心理状態が伝わる(疎通能力)ということは、覚醒済みの能力者なら既知であり、また解約によりそれが不可能になることも、解約経験のある能力者なら理解していることだろう。
今回の実験において、解約に際して起こる血液の変化に加え、”解約したことで疎通能力が失われる理由”が解明された。

ーー「名もなき研究者の報告」より』



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