「独身というのは常時期間限定物の食品に後ろめたさを感じ、風邪をひいても看病してくれる者はおらず孤独のあまり投げやりなキャッチセールスのちょっとした口説き文句にも簡単に籠絡されてしまう身を指す言葉なんです。 だからわたしは独身になりたくありません。 そういう訳だから何かと生活を共にしていれば単独でいきているのではないので、わたしは独身にはならないと思いプレーリードックと二人暮らしをしています」

「むなしくはないのか」

「むなしくなんてありません。 何故なら家に帰ればティラミスが金網を引っ掻いておかえりの合図をしてくれるからです。 あっティラミスというのはそのプレーリードックのことで、男の子です。 ご飯をあげなきゃいけないので、天城様とお話しする時間が少々減ってしまいましたが、天城様にはハルトくんがいますもんね」

「ああ……(以前は進んで残っていたのに、最近滅多に残業しなくなったのはこれのせいか……いやあんな仕事は別の社員がやるからいいのだが近頃こいつは俺に対してよそよそしい感じがする……まさかそのプレーリードックのティラミスとかいうやつの繋がりで他のプレーリードックを飼っているどこの馬の骨かも知らない男と交流しているのでは……いや俺は何を考えているんだこんな馬鹿馬鹿しい事……いやしかしハルトがこいつと会えないのを残念がっているから何かしなければ……だがそもそもの原因は寂しさ紛れに飼いあげたプレーリードックなのに行動を起こすのもくだらないが……こいつは俺にハルトがいるからと言ったな……これは、もしや、嫉妬というものなのだろうか? 俺と話しをしたいが、当然ながら俺にとってはハルトが三角形の頂点だからといじけているのか? ふん……こいつも少しは可愛げがあるじゃないか。 だがハルトは俺の大切な弟だ。 ハルトより上に上げてやる事は出来んがそれなりに親しくしてやらん事も……)」

「天城様どうかいたしましたか」
「いや、何でもない。 それよりコーヒーを持ってきてくれないか」
「かしこまりました」
「(一体どう切り出せばいいんだ……)」

 
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