前夜



『とある時代のとある世界のとある学校

白いワイシャツに身を包む男子生徒
紺色のスカートを翻す女子生徒
ジャケットを羽織る教師

普段は何事も無く学園生活を送る彼らに

狼の牙が向けられようとしていた』

青「っていうのが前置きでー」

K「くだらねぇ紙芝居してんじゃねぇよ青キジ!!!」


黒板の前で紙芝居を持つ青キジことクザン先生に真っ赤な髪とワイシャツの下の赤いTシャツが映えるキッドが突っ込んだ


り「狼の牙って…あれでしょ?人狼」

L「ついにここにまで回ってきたか…」


机に肘をついて手元のノートに落書きをする莉央
その隣に座るローは机の上に投げ出した足を組み直した


N「でもでも、このゲームに勝てば賞金でるのよねっ?」

R「これまでのゲームの勝者には何らかの商品が与えられているわ」


賞金に目を輝かせるのはナミ。このクラスのしゅせんd…ゲフン
このクラスの会計担当のナミ
教室のドアの横に立ってクラスを見守るのは歴史担当教師ロビン


青「さて、メンバーだが…あー…つまり、あれだ。やりたいやつが出ろ」

K「グダグダかっ!!決まってねぇのかよ!!」

青「ふぁー…あぁ、いや、確かメモが…」


ゴソゴソと体中のポケットを漁る青キジ
教室最前列に座るキッドの貧乏揺すりで教室が揺れそうだ


青「あったあった…んじゃ、これ読み上げてちょうだいな」


くしゃくしゃに折りたたまれたメモをキッドの隣に座るサンジに投げ渡す
渡されたサンジは机の上に転がるメモを見てため息をつきながらメモを開いた


S「ったくなんでおれが…」S

り「サンジー!なんて書いてあるのー?」

S「あなたの心に届けますおれのラブレター!!」S

り「サンジのラブレターはいらないからそのメモちょうだい」


後ろの席から飛んできた莉央の声にサンジがメロリンラブして答えるが、差し出した手に握られたメモを抜き取り莉央は自分の席へ


S「ツンデレな莉央ちゃんもかわいいぜ!」

Z「うるぇせぐる眉…」

S「万年冬眠野郎は永眠してろ!!」

り「えーっと、あー…これは結構なメンバーがそろってるわ…」


自分の席に座ってメモを眺めて小さくため息をつく


り「ウソップーこれ黒板に板書して」

U「なんでおれがっ!?」

り「だってウソップ書記じゃん」

U「う、チョークを持つと蕁麻疹が出る病が…」

り「んじゃ手袋すればー?」


莉央は前の席のウソップをちょいちょいと突きメモを放って再び机に頬杖をついた
渋々とメモを受け取って黒板に板書を始めるウソップ


カリカリカリ…


黒板にチョークがなぞられ今回のゲームの参加者が書き綴られた

※()の中は在籍クラスor担当科目
【生徒】クラス不順

ロー(D)
キッド (D)
ホーキンス(A)
ボニー (B)
ルフィ (A)
サンジ (D)
キラー(B)
ナミ(D)
ベポ(C)
莉央(D)
ウソップ(D)
チョッパー(C)
ゾロ(D)
シュライヤ(C)

【教師】
ブルック(音楽) 
ドレーク (国語)
ロビン (世界史・日本史)
フランキー (技術)



N「え、何なのこのバラバラ具合」

R「今回は教師も参加するのよ」


総勢18人の生徒と教師が書き綴られ、思い思いの感想を吐き出しているため教室内は騒然とし始めた


青「あー…つまりはそういうことなんで、今日の授業後はお前ら迎えがくるから、あれだ」


あくびをしながら青キジは教室を出て行く


K「あれだじゃねぇだろ何なんだよ!!!」

L「教室にいろってことだろ…そんなこともわからねぇのかユースタス屋」

K「チッ…帰りてぇ…今すぐに」


それぞれの胸中がある中、ベルが校内に響いて1限の開始を伝えた








──────────








昼休み
屋上で昼食のパンをかじる女子生徒が一人

り「人狼かー…特殊ルールがなければまぁ大丈夫かな」


おにぎりをかじる男子生徒が一人


L「18人村だと猫又がいそうだな」


トマトジュースのストローを噛む赤髪が一人


K「一番最初に吊ってやるよトラファルガー」

L「頭がチューリップなやつは吊るに限るな。目障りで村民会議の邪魔になる」

り「あんたらそれ完全メタ発言だからねわかってると思うけど」


解説しよう

「メタ」とは、ゲーム内の会話ではなく普段の言動や癖などをもとに推理や発言をすることである
つまりは私念とかそういうもののこと

普段から気の知れたメンバーで行われる人狼ほどメタ発言が多くなるのは必然
それはそれでゲームを盛り上げる要素の一つではあることは確かだが











────────









放課後


り「確か人狼やるときって目隠しと耳栓して連れて行かれるんだよね」

L「ほぅ、目隠しがお好みか莉央」

り「いつ私の性癖を暴露したよ…ローは脳内お花畑なの?」

K「とりあえずトラファルガーの口にガムテープ貼ろうぜ」

L「誰もお前の趣味は聞いてねぇユースタス屋」

K「おれもそんな趣味はねぇよ!!」


いつも通りの騒々しい教室内
それぞれが思い思いに時間を潰していると教室の前側の扉がガラリと開かれる


ガラッガタン!!


「扉外れるってどんだけ馬鹿力で開けたんだよ!?こええよ!!」U


開かれた扉はレールから外れて廊下側に倒れた
扉を開けたのは頬に煎餅をくっつけたサングラスの男


「……時間だ。全員目を閉じ動くな」V


普段は騒がしいクラス内も、ゲームの開始となると反抗はしなかった
しても無駄であることを知っているし、それがこの学校のルール


人狼の参加者は進行に抗うべからず

一人ひとり目隠し、耳栓をつけられ教室から連れ出された


『汝は人狼なりや?』


疑って疑って疑って信じるゲームの始まり始まり





───────────
(ゲーム中にお菓子食べていいのかな…)り

(……zzz)Z

(いっそ初日に噛まれて観戦に回りてぇよ…)U

(このおれ以外に狩人が務まるはずがねぇ…レディ達を守ってみせる!!)S

(トラファルガーぜってぇ吊る!!占い師だろうとしても!!!)K

(莉央と共有になって夜に…)L

(賞金$賞金$賞金$絶対勝つわよ!!狐で一人勝ちが理想よね…)N







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