※幼少期捏造



嫌われないように、嫌われないように。出来るだけ目立たず、いつも誰かの役にたって、必要としてもらえるように。ひとりぼっちにならないように。

「それはな、媚を売るっていうんだぜ。せーしょーねん」

びっくりした。
だって、ただ誰からも嫌われたくないだけなのに。
僕はみんなに親切にしてるだけなのに。どうしてそんな風に、まるで咎めるみたいな言われ方をされなきゃいけないの。こんな見ず知らずの人に。

その人はとてもとても優しい顔をして、あたたかい手で、穏やかなリズムで僕の頭をなでてくれた。けれど、今思い出せばその人は本当の優しさによく似た嘲笑をうかべて、グローブの布地がもつぬくもりしか無いような冷たい手で、まるで決められた作業のような人間味の無いテンポで髪をかき混ぜられていただけのような気がする。

「そうだよね、アルヴィン」
「何のことかなジュードくん」

白々しくとぼけてみせるその顔はあの時錯覚したのと同じように優しげに微笑んでいた。もしかしたらこれも、何年か後に思い出したら褪めて見えるのかもしれないけれど。
でも、僕の頭じゃなくて頬をなでる手は前とはちがって素肌だし、どこか緊張したような手つきはかたくて震えてて怯えているみたいだ。本当は人と触れ合うことが苦手なひとだから。

「僕、アルヴィンが好きだよ」
「そりゃどうも」

薄い唇がやんわりと笑う。
僕にはまだアルヴィンの手に手を重ねる勇気は無かった。
不器用に触れてくる感触が、遠ざかるのが、ちょっとだけ怖くて。

「俺も好きだよ。ジュードくん」

そっと離れた指先を咄嗟に追いかける、それに追いつく前にアルヴィンの弧を描いた唇が僕のそれと重なった。

「もうちょっと可愛げのある奴に育ってたら、な」


生まれわったら、
(してあげる)

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薄暗い上によくわからん文章ですみませんエヴァのカヲルくんの話を延々リピートしながら書いてたらこうなりました。←
実はアルヴィンよりジュードくんの方が打算的な人付き合いの仕方をしてたら。的な。


 


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