※現パロ
カチ、と小気味よい音をたてて、時計の針が新しい日を示した。
約束を破られることには慣れている。それでも、今この瞬間にいるはずの人が隣にいない事実はジュードの胸をチクリと刺した。
特に寒くもないのに薄い毛布をきつく体に巻き付けて、まるで繭にでもこもるように息をひそめる。
部屋にはカチコチと相変わらず時を刻む音ばかりが響いて、傍らのケータイが震えることはなかった。
「アルヴィンの、ばか」
日付をこえる前には帰ってくるって言ったのに。
果たしてその日付とやらがいつのものを指しているのかジュードは知らないが、それでもちゃんと帰ってくると言ったのだ。だから、こうしてずっと待っているのに。ケータイのバイブも、焦る足音も、愛をささやく声も何も聞こえやしない。
ああ、きっとまたダメだ。
すっかりアルヴィンのにおいを忘れてしまったベッドにしがみつき、深くため息を吐いて、ジュードは一人目蓋をおろした。
これまで何度もしてきたように。
ひとりのよる。
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アルヴィンさんがどこへ行ってていつ帰ってくるのかはご想像にお任せします。←