ごく自然に細い腕に自分の腕を絡めることができる、花のような彼女を羨ましく思った。
タンポポみたいに可愛らしくて真っ直ぐで、決して折れない強かさを秘めた彼女、レイアはまさにジュードにとって無くてはならない存在。愛のなせる業だろうか、ジュードが落ち込んだときどんなにキツく当たられても離れなかった気丈さは称賛に値する。
自分は弱味に漬け込んで銃口を向けたというのに。
殴られて腫れ上がった頬はプレザが手当てしてくれたが、未だにピリピリと痛んだ。
「アル、顔色が悪いけど大丈夫?」
「ああ」
「そう…」
プレザには感謝している。
感謝しているし、彼女がいなければ俺はとうの昔に駄目になっていただろう。プレザは俺にとって無くてはならない存在だ。こんなおざなりな返事しか出来ないことが申し訳ない。
けれど、今も心を占めるのは空の彼方の街への憧憬と、ジュードのことばかりで。
ジュードは立ち直った。
殴られても起き上がれない俺は傍にいてはいけないと思った。
だから自ら別れを告げたのに。
「ほんっと嫌になるなぁ…」
手で覆った目許、目蓋の裏にちらつく黒髪を追い払う方法を誰か教えて欲しい。
プレザのきれいな指が気遣わしげに頭を撫でてくれたが、今の俺にその手を取る資格は無い。
またいつか、ジュードの肩に腕を回すことは出来るだろうか。許されるだろうか。
きっと幻滅された。
それならいっそ、葬ってくれた方が…
「良くないこと考えてる顔してるわよ、アル」
俺を抱き込む女の肌にすがって、恐ろしくて待ち遠しい再開の時を想った。
蛆虫のオイタナジー
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豆腐メンタルで屑なアル憫氏が好きなんだ仕方がない←
そしてプレザさんは良い人すぎて不憫すぎる。救われない(´・ω・`)
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