※学パロ
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どこにでも優等生と言うか、がり勉と言うか、そういう生徒はいるものだ。
が、どうか俺の受け持つクラスにはいませんように、と始業式前に神社までお参りな行ったのは、ひとえに俺はそういうヤツが苦手だからである。
俺がふざけて絡んでも、笑って流してくれる生徒が欲しい。先生って変わってるよね、と。
例えばそう、2組のレイア・ロランドみたいな。
それなのに。なのになのになのに…!
「ジュード・マティス」
黒くて長めの前髪から覗くのは、黒縁でレンズがでかい、某猫型ロボットを居候させてる少年のそれとよく似た眼鏡。その奥には、大人しそうな吊り気味の目。
もやしっこみたいに細くて小さい体躯は、俺が肩でも組んだりしたらポキンと折れてしまいそうだ。
つまり。
めっちゃ絡みづれえええぇぇぇ!!
いやでも、絡みっらいならあえて構う必要はない。他にも生徒はわんさかいるのだから。
だがしかし、もやしっこの方から接触してきた場合、避けようがないじゃないか。
「はい。なんですか、先生」
物理の教科書とノートを胸に抱き締めて、俺を見上げる瞳は琥珀色。唇は桜貝、肌は白磁。
これでがり勉じゃなけりゃ(そんで男じゃなけりゃ)めっちゃタイプなんだけどな。
あいにくとこの少年は、授業でわからないところをわざわざ訊きにくるような、俺とは真反対の真面目ちゃんだ。こいつが読書してるか勉強してるとこ以外、見たことないんだが。
「もう入学してだいぶ経つけどさ。…おたく、ちゃんとオトモダチできた訳?」
「? はい、まあそれなりには」
「マジかよ…」
うちの学年にそんなたくさんもやしっこがいた記憶は無いんだがな。
まあ、長い前髪と眼鏡が邪魔しなければ、普通に顔はいいからな。
「で、何がわかんねぇって?」
この学校に物理教師は他にもいる。ぶっちゃけ物理が専門じゃなくても、高校1年レベルの物理を教えるくらいなら、生物教師だって出来る。
それでも俺を選んだってことは、担任だからってのもあるだろうが、多少なりとも気に入られてるってことか。
そう考えると、絡みづらいがかわいげのあるバンビちゃんかもな。
俺の説明(よく解りにくいと言われる)を聞きながら熱心にノートをとり、ときどき申し訳なさそうに聞き返してくるバンビ。
うん、かわいい。
………って俺は何を考えてるんだ。違うぞ。自分の生徒としてかわいがってやるに値するって意味だからな。決して変な意味じゃ…
「アルヴィン先生?」
小首を傾げんな。かわいい。
バンビもといジュードはノートをぱたんと閉じると、にっこりと、俺が今まで見たこともないような微笑みをうかべた。
「ありがとうございました、先生」
ふわりと、花が咲くような。
その笑顔に不覚にも一瞬見とれたあと、やはりこの前髪と眼鏡が邪魔だと思った。
かわいいのに、な。
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アルヴィンとジュード馴れ初め編です笑